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第1講 目的語とは

目的語とはどんなもの?

自動詞・他動詞の区別が大雑把にできればここは簡単です。他動詞はその行為をするのに、他に相手やものを必要とする動詞をいいました。この「行為の対象となる相手やもの」が目的語(O)と呼ばれます。つまり他動詞の後ろには必ず目的語がつながります。この目的語を後ろにとった形はSVOの第3文型と呼ばれています。(目的語が一つの文が普通ですが、2種類の目的語を同時にとって、目的語が2つ並ぶ文もあります)

目的語(O)=名詞

目的語(O)=行為の対象となる「相手」や「もの(こと)」

他動詞teach(Vt) ⇒ 目的語 them(O) English(O)

他動詞と目的語の間に副詞がわりこんでくることもあるので、「相手」や「もの(こと)」であることを確認して、目的語を判別しましょう。

ex. I can't make out the question.
「私はその問題が理解できない」

これで主語(S)・述語(V)・目的語(O)まで習ったことになりますが、述語の動詞に着目すると文が見えやすくなるのが分かると思います。

ex. To know the past of an indivisual helps us to know him better.
「個人の過去を知ることはその人をより理解するのに役立つ」

上の例文では、To knowは名詞・形容詞・副詞用法のどれかなので、この文での述語(V)は、他動詞のhelpsだと分かります。そうなるとhelpsの前までが主語(S)、後ろが目的語(O)という大きな形も見えてきます。このように述語の動詞が文の大きな形を教えてくれるので、2~7講座ではまず動詞に関係した文法を説明していきます。

【演習】次の各文の動詞を自動詞(Vi)と他動詞(Vt)に分け、目的語(O)があれば書き出しなさい。

例)I love classical music. ⇒ love (Vt)  classical music (O)

(1) She lives happily.
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lives - Vi
(2) I wrote a letter in English.

 

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  wrote -Vt

a letter -

(3) He found the lost book.

 

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found -Vt

the lost book -

(4) You look very tired.(look「~に見える」)

 

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look -Vi
(5) What do you want?

 

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want -Vt

that -

(6) There are some boats on the lake.

 

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are -Vi
(7) Write your name on the blackboard.

 

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write -Vt
(8) He painted the door white.

 

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painted -Vt

the door -

(9) My aunt in New York sent me a nice present.

 

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sent -Vt

me -

a nice present -

 

2種類の目的語で重要なことは?

他動詞ask「尋ねる」を例にしましょう。「尋ねる」行為は当然「相手」がいなければできませんね。また尋ねる「ことがら」も出てきます。つまり2種類の目的語をとれる動詞なのです。

ex. I asked him ~  「私は 彼に 尋ねた」

I asked the question ~  「私は その質問を 尋ねた」

上の例文のように、目的語が一つしかない文は問題ありません。ただしaskのように、動詞によっては2種類の目的語を同時にとれる場合もあり、その際英語では語順に注意しなければいけません。日本語の訳順とも比べてみましょう。

ex. I asked him the question.  「私は 彼に その質問を 尋ねた」

I asked the question him.×  「私は その質問を 彼に 尋ねた」

ここが日本語とは大きな違いで、英語では2種類の目的語を一つの文中で使う場合、基本的に「相手+もの/こと」の語順で置かなければいけません。この形で使われる動詞は限られてくるので、頻出のものだけでも暗記しましょう。この目的語を2つ同時にとった形はSVOOの第4文型と呼ばれています。

2種類の目的語の語順

他動詞(Vt)+相手(O)+もの/こと(O)
第3文型=SVO.
第4文型=SVOO.

第4文型(SVOO)になる動詞

- give「~に・・をあげる」Give me some money.
- tell「~に・・を伝える」Will you tell me how to use?
- show「~に・・を見せる」Show me your textbook.
- ask「~に・・を尋ねる」You can ask me anything.

第4文型は前置詞のto/forを使って「他動詞(Vt) + もの/こと(O) + to/for + 相手(O)」の第3文型に書き換えることができます。どちらの前置詞を使うかは動詞で決まり、動詞が方向性を持つものならばtoを、そうでなければ forを使います。演習14で扱います。

ex. Show me your textbook. = Show your textbook to me.

【演習】次の動詞の中から、目的語を2種類同時にとれる動詞をあげなさい。

give あげる have 持っている send 送る lend 貸す show 見せる
like 好き teach 教える tell 伝える pass 受け渡す watch 見る
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give ex. Give me this one.
send ex. I sent her a christmas card.
lend ex. I lent him my video tape yesterday.
show ex. Will you show me ho to use it?
teach ex. He teaches us English grammer.
tell ex. He told us the news.
pass ex. Pass me the salt.

目的語の成長

目的語の「もの(こと)」に当たる部分は、短い場合もあれば、長くなる場合もあります。ここでは 色々な形の目的語を紹介して、その形と訳し方に一通り慣れておきましょう。第3文型ではdecide「決めた」→(何を?)、第4文型ではtell「伝えた」→(誰に?(何を?)の他動詞を例に紹介します。

第3文型(SVO)の訳し方
「~にする」/「~をする」
(1) I decided it.(語)
「私はそれを決めた」
(2) I decided to live alone.(不定詞句)
「私は一人で暮らすことを決めた」
(3) I decided that I would live alone.(that節)thatは次ページで説明します
「私は一人で暮らすことを決めた」
第4文型(SVOO)の訳し方
「~(相手)に・・をする」
(4) I told him the fact.
「私は彼にその事実を話した」
(5) I told him where to get off.
「私は彼に降りるところを伝えた」
(6) I told him that I couldn't go with him.
「私は彼に一緒に行けないことを伝えた」