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第4講 疑問詞を含む受動態

疑問詞Whatを含んだ文の受動態

「疑問詞は無視して受動態に書き換えられる」とありましたが、 実はWhatとWhoの疑問詞は主語(S)と目的語(O)になることがあるため、この場合は書き換えに関係してきます。いずれにしても、3つの部分をしっかり確認すれば難しくはありません。1講座の文型を判別する基礎力があれば大丈夫です。

ex1 What do you call this bird in English?
「この鳥を英語で何と呼びますか」

[能動態]
やはり3つの書き換え部分を確認

その他の語句 主語(S) 述語(Vt) 目的語(O) 修飾語句
What do you call this bird in English?

ここでのWhatは補語(C)に当たっているため、二者関係に入っていません。
疑問詞を含んだ文として、普通に書き換えができます。

[受動態]
普通に書き換えた後で疑問文に、What this bird is called in English?
⇒ What is this bird called in English? (by youは通例省略されます)
「この鳥は英語で何と呼ばれていますか」

ex2 What does he suspect? suspect: ~を疑う(Vt)
「彼は何を疑っているんですか」

[能動態]
3つの書き換え部分を確認

目的語 その他の語句 主語(S) 述語(Vt)
What does he suspect?

ここでのWhatは目的語(O)に当たっているため、二者関係に入っています。語順がひっくり返っていて分かりにくいで、親切に?元に戻して考えてみましょう。その後はwhatが疑問詞であることを忘れて、普通に書き換えをしてみます。

その他の語句 主語(S) 述語(Vt) 目的語(O)
does he suspect what?

[受動態]
元の文の目的語が受動態での主語になるので
⇒ What is suspected by him?
「何が彼に疑われているんですか」

疑問文は普通この後で語順を入れ替えていましたが、この文では最初から疑問文の語順になっているので、これで答えになります。注意点ですが、whatに限らず疑問詞を主語にした場合、述語は単数形で受けます。(三単現のSも同様)

cf. Who is that man? / Who loves you?

疑問詞Whoを含んだ文の受動態

Whatと同様に疑問詞Whoも主語(S)と目的語(O)になることがあるため、この場合は書き換えに関係してきます。実はこの答え方が3通りあるため、この疑問詞が問題に使われやすいのです。形は3通りですが和訳は全部同じです。

ex Who discovered America?
「誰がアメリカ大陸を発見したのですか」

[能動態]
やはり3つの書き換え部分を確認

主語(S) 述語(Vt) 目的語(O)
Who discovered America?

ここでのWhoは主語(S)に当たっているため、二者関係に入っています。Whoが疑問詞であることを忘れて、これも普通に書き換えをしてみましょう。

[受動態]
⇒ America was discovered by whom?(前置詞の後ろはもちろん目的格)

疑問詞は文頭に、be動詞も移動するので答えは
⇒ Whom was America discovered by? ・・1
「アメリカ大陸は誰に発見されたのですか」

これにあと2種類変化した答えがあります。1から変化したもので、まず前置詞は普通「前置詞+名詞=前置詞句」というかたまりとして扱うので
⇒ By whom was America discovered? ・・2

最後も1から変化したものです。文頭に目的格のwhomはおかしい。つまり普通文頭にあるのは主格の語(he/she/whoなど)なので
⇒ Who was America discovered by? ・・3

3のWhoを「誰が」と訳すのは×です。元はWhomを強引に主格のWhoにしているだけなので、「誰に、誰を」と本来の目的格で訳しましょう。少しおさえなければいけないポイントはありますが、基本的に書き換えに関係する二者関係の印をしっかりつければ、対応できるハズです。

疑問詞を含んだ文の受動態

二者関係になれる疑問詞はWhatとWhoだけ
Whoの受動態は3通りの書き換え
⇒ Whom was America discovered by?
⇒ By whom was America discovered?
⇒ Who was America discovered by?

 

 

【演習】次の各文の態を変えなさい。

(1) What did he do?
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What was done by him?
(2) What do you call this in your mother tongue?(mother tongue「母国語」)  
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What is this called in your mother tongue?
(3) Who made this room clean?(3文で)  
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- Whom was this room cleaned by?
- By whom was this room cleaned?
- Who was this room cleaned by?
(4) Whom was America discovered by?  
解答を見る
Who discovered America?

ヒント

(1)  
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he do whatが二者関係(主語と目的)です(時制は過去)。
他動詞doの不規則変化を辞書で確認しておきましょう。do - did - done。
(4)  
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分かりにくい時は肯定文の語順で考え、後から疑問文にします。
⇒ America was discovered by whom?
二者関係(主語と目的)はAmericaとby whomですね。

進行形を含んだ文の受動態

この内容も述語部分がポイントになります。完了形と同じ解き方で大丈夫なのですが、答えにはbe動詞が2つつながるため、少し?の人が多いようです。めったに見かけない内容ですが、一応パターンを おさえておきましょう。

ex She was writing a new novel then.
「その時彼女は新作の小説を書いていました」

[能動態]
やはり3つの書き換え部分を確認

主語(S) 述語(Vt) 目的語(O) 修飾語句
She was writing a new novel then.

ここでの問題は述部の進行形です。これは「write」+「be~ing」となっているので、これも飾りを無視して基本の部分だけで書き換えをしてみましょう。
⇒ She wrote a new novel then.
(write - wrote - written)

[受動態]
⇒ A new novel was written then by her.

これに無視していた進行形の飾り「be ~ing」を加えると
⇒ A new novel was being written then by her.
「その時新作の小説が彼女によって書かれていました」

was beingとbe動詞が2つつながっているのが特徴です。書き換え問題としては稀ですが、長文などの中で見かけた時に、「進行形の受動態だ」と気づき、そう和訳できることが大事です。

進行形を含んだ文の受動態
be being 過去分詞形 ~されているところだ

【演習】(1),(2)は和訳し、それ以降の問題は受動態に変換しなさい。

(1) The Sphinx had been sanded up for a long time.(sand up「埋める」)

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スフィンクスは長い間砂に埋もれていた。
(2) The Shinx is now being restored.(restore:「修復する」)

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スフィンクスは今修復されています。
(3) Sue has washed these dishes.

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These dishes have been washed by Sue.
(4) He is carrying the chairs into the garden.

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The chairs are being carried into the garden by him.
(5) My son has already repaired our car.

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Our car has already been repaired by my son.
(6) The members of the project were discussing the new plan at that time.

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The new plan was being discussed at that time by the members of the project.

ヒント

(1)
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分かりにくい人は蛍光ペンなどで色をつけてみるとよいかもしれません。
had been sanded ~ 過去完了形 受動態
(3)
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Sue「スー」は人の名前なので、by以下になっても大文字のままです。
(5)
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alreadyのような副詞が割り込んでくると、書き換えた時にどこへ入れるのかが、また悩むところです。こういった副詞も最初は無視して書き換えをしましょう。
(6)
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主語がどこまでか考えましょう。この文ではof the projectの前置詞句(1講座)は、The membersを後ろから修飾しています。「そのプロジェクトのメンバーは」となり、全体で主語のかたまりになっています。